Golf Logic Lab.(ゴルロジ)運営者の「らすと」です。
ゴルフの競技結果やリーダーボードを見ていると、数字の代わりに「NR」という文字が並んでいることがありますよね。初めて見たときは「これってどういう意味?」「棄権とは違うのかな?」と疑問に思う方も多いはず。
ゴルフのNRとは一体どういう意味なのか、なぜスコアが書かれないのかといった基本的な疑問から、ゴルフのWDの意味やゴルフのDQの意味、さらにJ-sysにおけるゴルフのNRの扱いの注意点まで、今回は初心者の方にも分かりやすくお伝えしようかなと思います。
特に、2022年の改定後に大きく変わったハンディキャップへの影響については、競技ゴルファーにとって見逃せないポイントです。この記事を読めば、NRの正しい知識と、万が一のときのスマートな対応がしっかり身につきますよ。
- NR(ノーリターン)の正確な定義とWD・DQとの決定的な違い
- スコアカード未提出がマナー面や運営側に与える具体的なリスク
- J-sys(WHS)導入後に変わったNRによるペナルティスコアの仕組み
- ネットダブルボギー調整を知ることでNRを避けるべき実利的な理由
ゴルフのNRとは?意味やWDとの違いを徹底解説
ゴルフの競技会に参加したり、プロのトーナメント結果をチェックしたりすると、必ずと言っていいほど目にするのが「アルファベットの略号」です。
これらは国際的に標準化された表記ですが、それぞれの違いを正確に理解している人は意外と少ないかもしれませんね。まずはNRを中心に、関連する用語の整理から始めていきましょう。
スコアカード未提出を指すNRの定義

NRは「No Return(ノーリターン)」の略称です。文字通り「(スコアカードが)戻ってこなかった」という事態を指します。ゴルフというスポーツにおいて、スコアカードはプレーヤーの誠実さを証明する公式な文書です。
そのカードが委員会に提出されずに競技が終了した状態がNRとなります。
物理的要因と意図的要因
NRが発生する背景には、大きく分けて2つのパターンがあるかなと思います。
- 物理的未提出:急な体調不良や怪我、どうしても外せない急用などで、アテストエリア(スコア提出所)に立ち寄ることができずにコースを去ってしまったケース。
- 意図的未提出:「100叩きをしてしまい、恥ずかしくてスコアを貼り出されたくない」「ハンディキャップが上がるのを防ぎたい」といった心理的理由で、意図的にカードを破棄したり提出しなかったりするケース。

特に後者の意図的なNRは、ゴルフの精神である「インテグリティ(誠実さ)」に反する行為として、厳しく見られることもあるので注意が必要ですね。
ゴルフのNRやWDとDQの具体的な違い
リーダーボードで見かける略号には、NRの他にもWDやDQがあります。これらはすべて「正式な順位がつかない」という点では共通していますが、そのプロセスは全く異なります。
混乱しやすいポイントなので、比較表でスッキリ整理してみましょう。
| 用語 | 意味 | 発生のタイミング | 主な要因 |
|---|---|---|---|
| NR | 未提出 | プレー開始後~提出前 | 無断帰宅、意図的なスコア隠匿など |
| WD | 棄権 | プレー開始後 | 怪我、急病など正当な理由での申告 |
| DQ | 失格 | 競技中または終了後 | 過少申告、署名不備、重大な規則違反 |
| Scr | 不参加 | スタート前 | 当日欠席、スタート遅刻など |

棄権を意味するWDが適用される正当な理由
WD(Withdrawal)は、日本語で「棄権」と訳されます。NRとの決定的な違いは、「運営側(委員会)に対して正式にプレーの中断を申し出ているかどうか」です。
WDが認められるのは、通常、不可避な理由がある場合に限られます。例えば、プレー中の負傷、熱中症、急激な持病の悪化、あるいは親族の不幸といった緊急事態などですね。
こうした理由をマスター室や競技委員に伝え、受理されれば、正式な棄権(WD)として記録されます。無断で帰ってしまうNRとは、マナーの面でも大きな差があると言えます。
競技ゴルフでは、たとえスコアが悪くても、途中で「嫌になったから」という理由でWDにすることは推奨されません。あくまで身体的・状況的な限界があるときに使う言葉だと覚えておきましょう。
競技失格となるDQのルールと注意点
DQ(Disqualification)は、プレーヤー自身の意思に関わらず、ルール違反によって競技資格を剥奪される「失格」を指します。ゴルフ規則に則って厳格に判定されるため、競技者としては最も避けたいステータスですね。
代表的なDQのケースには以下のようなものがあります。
- スコアの過少申告:実際の打数よりも少ない打数をカードに書き、提出してしまった場合。
- 署名不備:競技者本人、またはマーカー(確認者)の署名が漏れていた場合。
- 適合しない用具:高反発ドライバーなど、ルールで認められていないクラブやボールを使用した場合。
意外な落とし穴として、「スコアカードの提出忘れ」も規則3.3bに基づき、原則として失格(DQ)扱いになります。
提出ボックスに入れるのを忘れてポケットに入れたまま帰宅してしまった…なんてことにならないよう、アテスト後はすぐに箱に入れる癖をつけたいですね。
スタート前に欠席する不参加のScrとは
Scrは「Scratch」の略で、DNS(Did Not Start)とも呼ばれます。これは「一度もスタートを切っていない」状態を指します。
当日の朝、会場に向かう途中で体調を崩して欠席の連絡を入れた場合や、練習に夢中になってスタート時間に1秒でも遅れてしまった場合などに適用されます。
プレーを開始した後に発生するNRやWDとは、時間軸が明確に異なっているのが特徴ですね。
知っておきたいゴルフのNRとは?ハンディへの影響
さて、ここからは少し専門的なお話になりますが、競技ゴルファーにとって非常に重要な「ハンディキャップ」とNRの関係について解説します。
2022年4月から日本でも本格導入された世界統一基準(WHS)により、NRのペナルティは以前よりもずっと重くなっているんです。
J-sysでのNRによるペナルティスコア

現在のJGA(日本ゴルフ協会)が運用するハンディキャップシステム「J-sys」では、正当な理由なくスコアを提出しなかった(NRとした)プレーヤーに対し、「ペナルティスコア」を記録する権限を各クラブの委員会に与えています。
以前は「NRにすれば悪いスコアが履歴に残らず、ハンディキャップを維持できる」といった“裏技”のような考え方もありましたが、今は通用しません。
提出を拒んだ場合、その人の実力よりもはるかに悪い擬制スコアがシステムに登録されてしまう可能性があるからです。
(出典:JGA 日本ゴルフ協会『ハンディキャップ規則 規則7.1b』)
ハンディキャップ操作を防ぐWHSの仕組み
世界統一ハンディキャップシステム(WHS)の目的は、あらゆるレベルのゴルファーが公平に競えるようにすることです。そのため、意図的に特定のスコアを隠す行為(NR)に対しては非常に厳格な姿勢をとっています。
もしNRを繰り返していると、システムが「このプレーヤーは不当にハンディキャップを操作している可能性がある」と判断し、ハンディキャップインデックスの更新を停止したり、強制的にインデックスを下げたりする措置が取られることもあります。
正々堂々とすべてのスコアを提出することが、最も自分の実力を正しく反映させる方法なんです。
ネットダブルボギー調整で大叩きも怖くない
NRを考えてしまう最大の要因は、やはり「大叩き」ですよね。「1ホールで12点も打っちゃった、もう終わりだ…」と投げ出したくなる気持ちは、私もよく分かります。
でも、今のルールには救済措置があるんです。それが「ネットダブルボギー」による調整です。
ハンディキャップ計算上の上限とは?
たとえ1ホールで15打叩いたとしても、ハンディキャップを算出するためのスコアとしては、以下の数値が上限として自動的にカットされます。
そのホールのパー + 2打 + 与えられたハンデストローク

つまり、実質的なダメージは意外と少ないんです。
大叩きしたホールがあっても、最後までプレーしてカードを提出したほうが、NRにしてペナルティスコアを課されるよりもずっと「傷が浅い」場合が多いんですよね。
スコア提出を拒むNRがマナー違反とされる理由
ゴルフは「審判のいないスポーツ」と言われますが、それは同伴競技者がお互いのスコアを確認し合う(マーカー制度)ことで成り立っているからです。
NRという行為は、この信頼関係を根本から揺るがしかねません。
あなたが無言でNRを選んで帰ってしまうと、あなたのマーカーを務めていた人は、自分のカードに署名をもらえなくなってしまいます。
それだけでなく、あなたが署名すべき「同伴者のカード」も宙に浮いてしまい、最悪の場合、同伴者まで失格(DQ)の危機にさらされる可能性があるんです。NRは自分だけの問題ではない、ということを意識しておきたいですね。

無断帰宅が競技運営に与える深刻なリスク
最も避けるべきは、理由を告げずにゴルフ場を去る「無断NR」です。これは運営側にとって悪夢のような事態と言えます。
プレーヤーがコースから消えたとなれば、ゴルフ場スタッフは以下のような可能性を疑わなければならないからです。
- コース内での心筋梗塞や熱中症による転倒・昏睡
- カート道からの滑落や衝突事故
- 池への転落といった遭難事故

安否が確認できるまで、マスター室は無線で全スタッフを動員し、コース内をくまなく捜索します。これが単なる「帰りたかっただけ」のNRだったと分かったとき、運営側や他のプレーヤーに与える迷惑は計り知れません。
どうしても中断する場合は、必ず後続組やマスター室に一言伝えるのが最低限のルールですね。
誠実なプレーを目指すゴルフのNRとは
ここまで、ゴルフにおけるNRの定義から、その背景にある心理、そして最新のシステム上の不利益まで幅広く見てきました。

結局のところ、ゴルフのNRとは単なる「記録なし」という記号ではなく、そのプレーヤーがゴルフというスポーツをどう捉えているかを示す「鏡」のようなものかなと思います。
スコアが良いときも悪いときも、その日の自分を受け入れて署名をする。その積み重ねが、ゴルファーとしての品格や本当の意味での上達に繋がっていくのではないでしょうか。
NRという選択肢を頭から消して、潔くアテストエリアに向かう。そんな姿勢こそが、より楽しいゴルフライフを切り開く鍵になるはずです。
ルールやマナーの詳細についてさらに深く知りたい方は、公式サイトや所属クラブの競技規則もぜひチェックしてみてくださいね。
正しくルールを知ることで、自信を持ってティーグラウンドに立てるようになりますよ!

