Golf Logic Lab.(ゴルロジ)運営者の「らすと」です。
アプローチって、練習場ではうまくいくのにコースに出ると急に難しく感じませんか。ダフリやトップの恐怖から体が止まってしまい、結局グリーンを行ったり来たりなんてこともありますよね。
そんな悩みを解決するキーワードとして、最近注目されているのがゴルフのバニラピッチです。
このパーカー・マクラクリン氏が提唱するメソッドは、特別な感性を必要とせず、誰でも再現できる打ち方として多くのゴルファーに支持されています。
この記事では、ゴルフのバニラピッチの基本的な考え方から具体的なコツ、そして明日から試せる練習法まで、私が調べて納得したポイントをたっぷりお届けします。
この記事を読めば、きっと次のラウンドのアプローチが楽しみになるはずですよ。

- バニラピッチがなぜ「最もシンプルで確実」と言われるのかその理由
- ミスを激減させるセットアップと右手の使い方の具体的なポイント
- プロも実践する「2つのファミリー」という考え方の本質
- どんなライからでも自信を持って打てるようになる練習ドリルの内容

ゴルフのバニラピッチでアプローチを劇的に変える
アプローチの概念をガラッと変えてくれるバニラピッチ。まずは、なぜこの技術がこれほどまでに注目されているのか、その背景にある理論や基本的な考え方について深掘りしていきましょう。
従来の「当てるだけ」のアプローチから卒業して、プロのような「運ぶ」感覚を身につけるためのヒントが詰まっています。
バニラピッチの意味と提唱者マクラクリンの哲学
バニラピッチの「バニラ」という言葉には、アイスクリームの定番フレーバーのように「標準的で、誰にでも合う、基礎となるもの」という意味が込められています。
このメソッドを提唱したのは、PGAツアーでの優勝経験を持ち、現在はコリン・モリカワ選手などのトッププロを指導しているパーカー・マクラクリン氏(通称:ショートゲーム・シェフ)です。
彼は自らが深刻なイップスに苦しんだ経験から、プレッシャーがかかる場面でも「これさえやっておけば大丈夫」と思える、極限までシンプルにした技術を構築しました。
それがバニラピッチです。単なる打ち方のテクニックではなく、「複雑な動きを排除して、最も確率の高い動きを選択する」という哲学が根底にあります。
派手さはありませんが、それゆえに再現性が高く、アマチュアにとっても最強の武器になるというわけですね。
なぜ「バニラ」なのか?
ゴルフの世界では、ついつい派手なロブショットやギュギュッと止まるスピンショットに憧れてしまいますよね。
でも、マクラクリン氏は「まずはバニラ(標準)を完璧にしよう」と説いています。基礎が盤石であれば、どんなコースセッティングでも大崩れすることはありません。
2つのファミリー理論から見たバニラピッチの特性
マクラクリン氏は、ショートゲームを大きく「2つのファミリー」に分けて考えています。ここを理解することが、バニラピッチ習得の第一歩かなと思います。
自分が今どのショットを打とうとしているのかを明確にすることが、ミスの防止に直結します。
ショートゲームの2大分類
- ファミリー1(バニラ系):パターに近い動きで、右手の感覚を重視する転がしのアプローチ。
- ファミリー2(スペシャル系):バンカーやロブショットなど、左手でフェースを操作する特殊なショット。

私たちがコースで遭遇するシチュエーションの約9割はファミリー1(バニラピッチ)で対応できると言われています。
多くの人がミスをする原因は、バニラで済む場面なのに、無意識にロブショットのような複雑な「スペシャル系」の動きを混ぜてしまうからなんです。まずはこの2つを明確に分けることが大切ですね。
パターの延長で打てるバニラピッチと右手の感覚
バニラピッチの最大の特徴は、パッティングとの親和性が非常に高いことです。マクラクリン氏は「アプローチはパターの延長線上にある」と考えています。具体的には、「右手のひら(トレイルハンド)」の感覚をすごく大事にします。
従来のアプローチでは「左手リード」が基本と言われることも多いですが、バニラピッチでは利き手である右手の器用さを活かします。
右手のひらがずっとフェース面を向いているイメージで、そのままターゲットに向かってボールを押し出す感覚です。余計な手首のコックを使わず、大きな筋肉でゆったり振ることで、パターのような安定感が生まれます。

「押す」感覚が距離感を作る
右手でボールを目標にトスするようなイメージを持ってみてください。その「手のひらの向き」を維持したままスイングするのが、バニラピッチの核心です。これにより、インパクトでのフェースの乱れが最小限に抑えられます。
安定した打点を確保するバニラピッチのセットアップ
アプローチで打点がバラつく原因の多くは、構えにあります。
バニラピッチでは、余計な動きをさせないための「箱」を作るようなセットアップを推奨しています。物理的にミスを出しにくい形を先に作ってしまうのがポイントです。
バニラピッチのセットアップのコツ
- スタンス幅:靴1足分くらいまで狭める。
- 重心配分:左足に6割ほど体重をのせ、最後までキープする。
- ボール位置:スタンスの中央か、ほんの少しだけ右寄り。
- 手の位置:過度なハンドファーストは避け、シャフトが地面と垂直に近いくらいで構える。

スタンスを狭くすることで、スイング中の余計な左右への体重移動が物理的にできなくなります。これが打点の安定に直結するわけです。
また、シャフトを垂直に近く保つことで、ウェッジのバウンスが正しく使える準備が整います。ハンドファーストを強くしすぎると、リーディングエッジが刺さりやすくなるので注意が必要です。
バウンスを地面に滑らせるバニラピッチの打ち方
バニラピッチの真髄は、リーディングエッジ(刃)ではなく、ソールの「バウンス」を地面にぶつけることにあります。マクラクリン氏は、ソールが地面を叩いた時の「タンッ!」という音(Thump)を重要視しています。
ボールをクリーンに打とうとしすぎると、どうしても刃が刺さってザックリになります。バニラピッチでは、ボールの手前からソールを滑らせるイメージで打ちます。
バウンスが地面を滑ってくれるので、多少手前から入ってもクラブが潜らず、ボールを拾ってくれるんです。この「地面を滑る感覚」を覚えると、アプローチの恐怖心は一気に消えますよ。

バウンスの効果とは?
ウェッジの底にある出っ張り、つまりバウンスは「地面に刺さらないための保険」です。この機能を最大限に活用するのがバニラピッチの打ち方です。(参照:Titleist Vokey Design『Wedge Bounce Explained』)
ヒンジ&ホールドとバニラピッチの決定的な違い
かつての主流だったフィル・ミケルソン氏の「ヒンジ・アンド・ホールド」と比較すると、バニラピッチの合理性がより際立ちます。
ヒンジ・アンド・ホールドは手首を積極的に使い、点でのコンタクトを求めるプロ仕様の技術です。対して、バニラピッチは手首を固定し、ゾーン(線)でコンタクトすることを目指します。
| 比較項目 | ヒンジ&ホールド | バニラピッチ |
|---|---|---|
| 入射角 | 鋭角(刺さりやすい) | 鈍角(滑りやすい) |
| 主導権 | 左手リード | 右手主導(ボディターン) |
| 再現性 | 練習量が必須 | 誰でも安定しやすい |
| 弾道 | 強烈なスピン | 中スピン・安定した転がり |
現代の硬いボールや進化したウェッジには、バニラピッチのような浅い入射角の方がマッチしているかなと私は感じています。ミスに対する許容範囲(マージン)が広いのが魅力ですね。
ゴルフのバニラピッチを習得する実践練習ドリル
頭で理解したら、次は体で覚える番です。マクラクリン氏が推奨するドリルは、どれもシンプルだけど効果は絶大なものばかりです。
毎日の少しずつの積み重ねが、コースでの大きな自信に繋がります。
右手一本打ちで身につけるバニラピッチの基本動作
バニラピッチが右手主導であることを実感するためのドリルです。左手を後ろに回し、右手だけでウェッジを持ちます。そして、パターのように肩の回転だけでボールを打ちます。
この時、「手のひらでボールを運ぶ」感覚を意識してみてください。手首をこねてしまうとボールはあらぬ方向へ飛んでいきます。
右手のひらとフェース面が常にリンクしている状態で、フォローまで体を回し続けるのがコツです。これだけで、いかに手先で操作していたかがよく分かります。
私は最初、全く当たらなくてビックリしましたが、慣れてくると「あ、これが同調か!」と気づけました。

ザックリを即効で治すバニラピッチのクロスハンド
どうしても手首が動いてザックリしてしまう人におすすめなのが、クロスハンドドリルです。パターのように、左手を下、右手を上にして握ります。
これはジョーダン・スピース選手なども練習に取り入れている非常に有名な方法です。
このグリップにすると、構造上、左手首を甲側に折ることができなくなります。つまり、強制的に手首の動きがロックされ、体で打つしかなくなるんです。
最初は違和感があるかもしれませんが、これで打つと驚くほど綺麗にコンタクトできるはずです。実際のコースで「今日はどうしても手首が悪さをするな」と感じた時に、そのままこのグリップで打っても全く問題ありません。
ルール違反でも何でもないですからね。

クラブの番手で打ち分けるバニラピッチのシステム
バニラピッチを習得したら、次はその技術を「システム」として運用します。
振り幅や力感を変えるのではなく、「クラブを変える」ことで距離や弾道を調整する考え方です。これにより、スイングの迷いが消えます。
4本クラブシステムの実践
- ロブウェッジ(58度など):キャリーが多く、ランが少ない。障害物があるとき。
- ピッチングウェッジ:キャリーとランが1対2くらい。標準的な状況。
- 9番アイアン:キャリーを抑えて、しっかり転がしたいとき。
- 7番アイアン:さらに遠くからパターのように転がす。グリーンまで距離があるとき。

すべて同じ「バニラピッチ」の打ち方で、クラブだけを持ち替えてみてください。
スイングを固定してクラブを「定数」にすることで、コースマネジメントが驚くほどシンプルになります。「どのくらいの強さで打とうかな?」と悩む時間がなくなるのは、精神的にもすごく楽ですよ。
悪いライや薄い芝でのバニラピッチの応用テクニック
芝が薄い場所やベアグラウンドのような、プレッシャーのかかるライでもバニラピッチは有効です。
コツは、「ヒール側を少し浮かす」ことです。パターを構えるように少しだけ近くに立ち、ウェッジの先(トゥ側)だけで打つようなイメージを持ちます。
こうすることで接地面積が減り、地面の抵抗を最小限に抑えられます。万が一ダフっても、ソールが滑ってくれるバニラピッチの特性があなたを助けてくれます。
ただし、これらはあくまで一般的な目安ですので、ご自身のウェッジの特性に合わせて微調整してみてくださいね。特に、バウンス角が大きいウェッジを使っている場合は、跳ね方に注意が必要です。
ツアープロも信頼するバニラピッチのメリット
なぜトッププロまでもが、この「平凡」に見えるバニラピッチを採用するのでしょうか。それは、「プレッシャー下での強さ」にあります。
試合の最終ホール、手が震えるような場面でも、大きな筋肉を使ったバニラピッチなら大過なく遂行できるからです。
また、縦距離の安定感も抜群です。手首を使いすぎるとスピン量にムラが出ますが、バニラピッチなら常に一定のスピン量と転がりが得られます。
これが、スコアを作る上での最大のメリットかなと私は思います。どんなに派手なショットができても、1ラウンドに数回ミスをしては意味がありませんからね。安定感こそが正義です。

初心者でも簡単!ゴルフのバニラピッチ習得まとめ
さて、ここまでゴルフのバニラピッチについて詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
私自身、いろいろな理論を調べてきましたが、バニラピッチほど「納得感」のあるメソッドはなかなかありません。それは、ゴルフを難しくする要素を徹底的に排除しているからかなと思います。
今回の重要ポイントおさらい
- バニラピッチはパターの延長!右手主導でシンプルに打つ。
- セットアップでスタンスを狭くし、左足重心を徹底する。
- リーディングエッジではなく、バウンスを地面に滑らせる。
- 「2つのファミリー」を意識して、不要な小細工(ファミリー2の動き)を捨てる。
まずは練習場で右手一本打ちから始めてみてください。
きっと、今までのアプローチがどれほど複雑だったかに気づくはずです。ゴルフのバニラピッチをマスターして、次のラウンドでは余裕の表情でピンに寄せてやりましょう!
「あれ、アプローチ上手くなったね」なんて言われる日が来るのも、そう遠くないかもしれません。
※本記事の内容は一般的な理論に基づいた解説であり、個人の体格や技量によって最適な動作は異なります。
正確なレッスンや指導については、お近くのゴルフスクールやティーチングプロ等の専門家にご相談されることをお勧めします。また、練習の際は周囲の安全を十分に確認してください。
この記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。アプローチの悩み、一緒に解決していきましょう!
