Golf Logic Lab.(ゴルロジ)運営者の「らすと」です。
ティーショットで右に大きく曲がるスライスが出たかと思えば、次のホールでは左へ突き抜けるフックに悩まされる……。
そんな「往復ビンタ」のような状態、本当にスコアメイクを難しくしますよね。
どちらか一方向だけに曲がるならまだ狙いようがありますが、両方出るとなるとどこを向けばいいのかわからず、ティーグラウンドに立つのが怖くなってしまうこともあるかなと思います。

どうして真っ直ぐ飛ばそうとしているのに左右に散ってしまうのか。
その根本的な理由は、単なる技術不足だけではなく、スイング中のフェース管理の不安定さや、使っている道具とのミスマッチなど、複数の要素が複雑に絡み合っていることが多いんです。
この記事では、私が多くのデータや経験から学んできた「左右のミス」の正体と、それを根治して安定したショットを手に入れるための具体的なステップを詳しくお話ししますね。
自信を持って振り抜けるティーショットを、一緒に取り戻していきましょう。
- なぜスライスとフックが交互に出てしまうのかという物理的なメカニズムがわかります
- 左右の散らばりを抑えるために必要な「フェース管理」の具体的な習得方法がわかります
- ミスを道具でカバーするためのシャフトやヘッドの選び方のポイントがわかります
- コースで大叩きしないためのマネジメントと、力みを抑えるメンタル的なコツが身につきます
ドライバーのスライスとフックが両方出る原因と仕組み
まずは、どうして球が右にも左にも暴れてしまうのか、その裏側に隠れたメカニズムを整理してみましょう。
ゴルフは物理のスポーツですから、原因を論理的に知ることで、闇雲な練習から卒業して効率的に上達できるようになりますよ。
軌道とフェースの関係から知る逆球のメカニズム

ドライバーのショットで左右両方のミスが出る場合、最も大きな要因は「スイング軌道」と「インパクト時のフェース向き」の相関関係が不安定になっていることです。
最新の弾道解析(Dプレーン理論)では、ボールが打ち出される方向の約80%はインパクト時のフェースの向きによって決定され、その後の曲がり幅はスイング軌道に対してフェースがどれだけ開いているか(または閉じているか)で決まるとされています。
打ち出し方向と曲がりのルール
「両方のミス」が出るプレイヤーの多くは、スイング軌道そのものが極端な「インサイドアウト」または「アウトサイドイン」になっており、それをインパクトの瞬間に手首で無理やりスクエアに戻そうとしています。
この「手首での合わせ」が、コンマ数秒のズレで真逆の結果を生んでしまうわけですね。
左右に曲がる組み合わせの例
| 弾道の結果 | スイング軌道 | インパクト時のフェース向き |
|---|---|---|
| プッシュアウト | インサイドアウト | 開いている(右を向いている) |
| チーピン(フック) | インサイドアウト | 閉じている(左を向いている) |
| スライス | アウトサイドイン | 開いている(右を向いている) |
このように、スイングの軌道が一定であっても、インパクトの瞬間にフェースがほんの1°〜2°開くか閉じるかだけで、結果が致命的な逆球になってしまうんです。
まずは、自分が「合わせるスイング」になっていないかを客観的に見つめ直すことが大切かなと思います。
(出典:Trackman『Face Angle – The ball flight laws』)
スライス矯正の副作用でフックが出る理由

実は、一生懸命スライスを直そうと努力している熱心なゴルファーほど、この「両方のミス」に陥りやすい傾向があります。
スライスを嫌がって無理に「手を返してボールを捕まえよう」としたり、極端に「インサイドから振ろう」と意識しすぎたりすることで、スイングのバランスが極端に偏ってしまうからです。
「捕まえる動き」の過剰反応
スライスを恐れるあまり、無意識に左を向いて構えたり、ダウンスイングで極端に右肩を下げてヘッドを遅らせたりすると、捕まったときはドローになりますが、タイミングが早すぎると猛烈なフック(チーピン)を招きます。
逆にそのフックを一度でも経験すると、次は無意識にインパクトで手を止めて逃がそうとしてしまい、結果としてプッシュスライスが再発します。
これを私は「矯正の副作用」と呼んでいるのですが、特定のミスを消そうとする対症療法的な動きが、新しいエラーを呼び込んで「負の連鎖」を作っている状態と言えるかもしれません。
特定の球筋を無理に作ろうとするより、まずはスイングのニュートラル(基準)を取り戻すことが重要ですね。
打点のズレによるギア効果が左右のミスを増幅
スイングの形や軌道そのものは悪くなくても、物理的な「打点」のミスが左右のブレを大きくしていることも多いです。
ドライバーのフェースには、重心から外れて当たった時にヘッドが回転し、その反動でボールに逆方向のスピンをかける「ギア効果」という仕組みが備わっています。
| 打点の位置 | ヘッドの動き | ボールへの物理的な影響 |
|---|---|---|
| トゥ側(フェースの先端寄り) | 当たり負けして開く | 強いフック回転がかかりやすくなる |
| ヒール側(ネック寄り) | 押し込まれて閉じる | 強いスライス回転がかかりやすくなる |
たとえ完璧なスイング軌道で振れていても、当たる場所がわずか数ミリ左右にズレるだけで、弾道は勝手に曲がっていきます。
ミート率が安定せず、打点がフェース面をあちこち移動している状態では、たとえスイングを直しても球筋は定まりません。自分がどこで打っているかを知るために、ショットマーカー等で打点を確認してみるのがおすすめですよ。

アーリーエクステンションによる体の起き上がりの原因
生体力学的な視点で「左右両方のミス」が出る人のスイングを分析すると、非常に高い確率で見られるのが「アーリーエクステンション(体の起き上がり)」というエラー動作です。
これはダウンスイングからインパクトにかけて、骨盤がボール方向へ近づき、結果として上半身が弓なりに起き上がってしまう現象を指します。
スペースの喪失と手首の暴走
お尻の位置が前に出ると、本来手元が通り抜けるべきスペースが消滅してしまいます。この「詰まった状態」を回避するために、人間は反射的に2つの動きをしてしまいます。
- 体を逃がしてフェースが開く:スペースを作るために手元を浮かせて逃がすと、フェースが開いてプッシュスライスになります。
- 手首をこねて無理に返す:詰まったままなんとかボールを捕まえようと手首を急激に返すと、極端なクローズフェースになりチーピンが発生します。
前傾角度を維持できず、インパクトゾーンで手元の位置が前後上下に暴れてしまうことが、弾道の散らばりを根底から作っている大きな原因かもしれません。
手打ちが招くスイング軌道の不安定さと左右のブレ
最後に見逃せないのが「手打ち」による影響です。
理想的なスイングは、下半身→体幹→腕→クラブという順序で動く「キネマティックシーケンス(運動連鎖)」が守られていますが、左右に曲がる人はこの連鎖が崩れ、腕の力でクラブを強引に操作しようとする傾向があります。
手打ちのスイングは、インパクトゾーンでフェースが激しく回転(ローテーション)しすぎるため、わずかなタイミングのズレが致命的なミスに直結してしまいます。
グリップ圧と力みの関係
「飛ばしたい」「曲げたくない」という意識が強くなると、腕や手に余計な力が入り、グリップを強く握りすぎてしまいます。
すると前腕の筋肉が硬直してクラブの重さを感じられなくなり、結果としてフェース管理が「開くか閉じるかのギャンブル」になってしまうんですね。
体幹の回転主導でスイングし、腕をリラックスさせることが、左右のミスを減らすための絶対条件かなと思います。
ドライバーのスライスとフックが両方出る悩みの直し方
原因が整理できたところで、次は具体的な「直し方」について見ていきましょう。感覚的な言葉に惑わされず、物理的・論理的なアプローチを組み合わせるのが、最短で安定を手に入れるコツですよ。
ハンドファーストで当てるフェース管理の練習ドリル
左右のミスを最小限に抑えるためには、インパクト付近でフェースを激しくローテーションさせる動きを抑制し、安定した「面」でボールを捉える必要があります。
そのために最も有効なのが、アイアンショットのように少し「ハンドファースト」で捉える意識を持つことです。
ドライバーでハンドファーストと言うと「球が上がらないのでは?」と心配されるかもしれませんが、手元を少し先行させてフェースを管理しながら押し出す感覚を養うと、フェースの急激な開閉を物理的に抑えられます。

練習場では以下のステップでドリルを試してみてください。
ハンドファースト・ドリルの手順
- ドライバーを指2本分短く持つ。
- ハーフスイング(腰から腰の高さ)で練習する。
- インパクトで左手の甲がターゲットを向き続け、手元がヘッドより先にある形で止める。
- ボールを低く真っ直ぐ、100ヤード程度運ぶ練習を繰り返す。
手首をこねる動きを封じることで、「面」でボールを押し出すボディターンの感覚が養われ、左右のブレが劇的に少なくなってきますよ。
スローモーションスイングによるインパクトの改善
「自分のフェースがインパクトでどこを向いているか全くわからない」という状態であれば、思い切って「超スローモーション」で振ってみるのがおすすめです。
通常のスピードでは脳が動きを感知できませんが、ゆっくり動くことで正しい神経回路を繋ぎ直すことができます。
1スイングに10秒から15秒かけるつもりで、テークバックからフィニッシュまで止まらずにゆっくり動かしてみてください。
このとき、鏡を見たりスマホで自撮りしたりして、「前傾角度が崩れていないか」「フェースが開きすぎていないか」を確認するのがコツです。
「ゆっくり振って正しい形が作れないことは、速く振った時に管理できるはずがない」というのがゴルフの鉄則です。
地味な練習ですが、脳内のイメージと実際の体の動きのズレを修正するのにこれほど効果的な方法はありません。ぜひ根気よく取り組んでみてくださいね。
左右に散るミスを抑える中調子シャフトの選び方

スイングの改善には時間がかかりますが、道具のセッティングを見直すことで即効性のある改善が期待できる場合も多々あります。
特に「左右両方に散る」という悩みは、使っているシャフトの挙動が自分のタイミングに合っていないことが大きな原因になっているかもしれません。
スライスとフックの両方が出る人には、シャフトが勝手に動きすぎる「先調子」や、タイミングの取り方がシビアな「元調子」よりも、全体の挙動が穏やかで素直なしなりを感じられる「中調子」や「中元調子」がおすすめです。
先端剛性が高い(ヘッドが暴れにくい)シャフトを選ぶと、打点が多少ズレても物理的に曲がり幅を抑えてくれますよ。
自分のスイングタイプを客観的に判断するのは難しいですから、最終的には信頼できるフィッターさんやプロの診断を受けて、自分に最適な重量とスペックを見極めるのが一番の近道かなと思います。
コースマネジメントで片方のミスを消す戦略とコツ
練習場では真っ直ぐ飛んでも、コースに出ると曲がってしまう……。そんな時は「完璧な真っ直ぐを打とう」という考えを一度捨ててみましょう。
プロゴルファーであっても、1ミリも曲がらないストレートボールを常に打つのは不可能です。彼らがやっているのは、「絶対にやってはいけないミス」を片側だけ物理的に消すことなんです。

ティーアップの位置と立ち方のコツ
例えば、右側がOBで左側が広いホールであれば、以下の戦略を徹底します。
- ティーアップの場所:ティーイングエリアの「右端」に立ちます。
- ターゲットの狙い方:フェアウェイの「左サイド(または左ラフ)」を対角線に狙います。
こうすることで、右への視覚的なプレッシャーを減らしつつ、コースを最も広く使うことができます。
このとき、「最悪フックして左に行ってもOK」と自分に許可を出してあげると、メンタル的な力みが取れて、結果としてスムーズなスイングになり、ナイスショットが出ることも多いですよ。
力みのセルフチェック
アドレスに入った時に、足の指を少し浮かせてみたり、ワッグルをしたりして、体に余計な力が入っていないか確認しましょう。
深呼吸をして「7割の力感」で振るくらいが、実は最もミート率が上がり、曲がりも少なくなります。

まとめ|ドライバーのスライスやフックが両方出る対策
ドライバーのスライスとフックが両方出るという悩みは、ゴルファーがステップアップするために避けて通れない通過儀礼のようなものです。
でも、そのまま放置してゴルフを嫌いになってしまうのは本当にもったいないですよね。
今回お話ししたように、まずは「フェース角度と軌道の物理的な関係」を理解し、アーリーエクステンションの改善やハンドファーストの練習に取り組んでみてください。
スイングの基礎を固めつつ、自分に合ったシャフト選びや賢いマネジメントを取り入れれば、必ず「逆球」の頻度は減り、安定してフェアウェイをキープできるようになりますよ。
安定したショットを手に入れるためのチェックリスト
- インパクトでの「フェース管理」を意識して合わせるスイングを卒業する
- スローモーション練習で脳と体のズレを修正する
- 先端剛性が高く挙動が安定したシャフト(中調子など)を検討する
- コースでは「片側を消す」立ち位置で心理的な余裕を持つ
一発の大きな飛距離よりも、平均して前に運べる安心感を育んでいきましょう。
なお、数値やスペックの目安はあくまで一般的なものですので、正確な最新情報はメーカーの公式サイトを確認したり、最終的な判断はプロのフィッターさん等に相談したりしてくださいね。
あなたのゴルフライフが、より納得のいく楽しいものになるよう応援しています!
